貴志 祐介「新世界より」読了。
ハードカバーで上下、文庫で上中下巻、1000ページの長編!
非常に面白かったです。
いつも通り中盤までは丁寧な状況描写であまり事態は動きません、長編の中盤までそんな感じなのでこの作品が貴志祐介 初挑戦だったら負げてたかもwww
中盤で物語が動き始め後半1/3に突入してからの展開は一気読みですわ!
どの作品もそうですが序盤で丁寧に描かれた状況描写が伏線となって回収されて行く展開は流石ですね。
現代よりも後退したかのような生活感と現代のテクノロジーが古代文明として何かしらの事変の要因になったりする既視感的描写で絶妙な」あるある感」を煽る展開。
何時からですかね?近未来、遠未来がディストピア一色になっちゃったのは???
この作品自体(読んでる今から)10年も前の作品ですからそのちょっと前からですかね、映画も小説もディストピア的終末論が流行ったのは・・・?
邦人作家のスリル、サスペンス、ホラーって「オチが弱い」ってずっと敬遠していたんですが、貴志祐介の作品もそんなにオチが強烈ではないイですよ、実は・・・
でも、全体を通してちゃんとキレイにまとまっててそんなに不満は無い。
他の(今まで読んだそれ等)はラストまで煽りに煽って「ソレかいっ!」って「オチ」から物語を構築していってる感じなのかな?
彼の作品は全体をしっかり構築してから紡ぎ出してる感じなので前半の動きのない展開も全てが必要で何の変哲もない描写も物語世界の構築には必要な物語なので長編であっても無駄が無いんですよ。
伏線の張り方が上手いんですよね、ほかのミステリ作品だと「ココ、伏線ですよ」ってのが意外と分かりやすかったりするんですよね。
彼の作品はソコに押し付けが無い・・・キガス・・・
で、貴志祐介の作品って意外とエログロなんですよね、人や何某かは割と、、、と言うかカナリ派手に死に(殺される)ますし、ねちっこいエロシーンもバンバン書かれてます。
そこを魅力だとは自分は感じませんが、映画とかにある「別に要らねんじゃね?」ってシーンではないんですよね(クドいと思う事はありますが・・・)
この作品も動画作品になってます、アニメらしいです。
機会があったら視る・・・・かもしれません、先に読んだ「青の炎」もまだ観てないですし、、、
さ、さ、次はどうしましょう?
まだ貴志祐介作品は目白押しですが一旦口直しに別の作家に行こうか迷ってます。