京極夏彦のデビュー作、発表当時スゲェ気になったんだけどあれよあれよと・・・でやっと読了!
初版は1994年9月と言うから17年越しで!!!(汗;
面白いです!
止められずにイッキに読みきった本は久し振りです(笑
でも、コレきっと好き嫌いが別れるだろうなぁ~
シリーズものの第1作の体、主要メンバーの人物描写や、時代背景、世界観構築に大半を費やしています。
ネタやトリックに斬新なモノはない、正直 事件やストーリー展開はオマケのようなもの(言っちゃった・・・
狂言の様な言い回しが微妙に読者の脳を掻き回します、ソレこそがトリック!
“微に入り細を穿つ”描写でありそうで実は“曖昧模糊”として輪郭がつかめない・・・・
字面からわかる通り
作者:京極夏彦 = 京極堂:中禅寺 秋彦
であり、仮に読者 = 関口 であるとすれば そのイミフだが意味深、でも核心がチンプンカンプンな展開ではあるものの 序盤からゆっくりと読者 = 関口をクライマックスへ導いてくれます、関口のキーマン設定はかなり陳腐ですが・・・
ストーリー云々よりもハマってしまったのは その世界観と云うべきか緻密な論術!
京極堂の諭す不可思議肯定論は その論調からも威圧的ではあるものの 度重なるその講義によって不思議と「そうかも」「そうなんだ」と納得させられてしまう。
コレが一方的な頭ごなしの決め付けだと癪なんだが、尽く無能な関口クンがその度に食いついてくれる、コレが読者の代弁者となり 違和感なく(もないが)順々にその魑魅魍魎論を諭してくれる。
この筆術はスゴイです!
時代設定もこの作品の大きなトリックのひとつ!(おっ断言した)
体験していないのに知ってる(つもり)時代・・・
正に導入部の“じぃちゃん、家康の件”だ。
関口クンに垂れた“記憶の講釈”はそのまま読者に“こんな事あるかもしれませんよ”とガッチリ物語の世界観を刷り込んでいる、緻密な描写と相まって目の前にその風景が浮かんで見える、あまつさえ その場に居るような(入り込んでしまった)感覚さえ呼び起こす!!!!スバラシイ!!!!
素晴らしいペテン師だっ!!!(大賛辞ですよ)
この人立派な詐欺師になれる、オレなんかイチコロだ・・・(だから 大賛辞ですよ!)
兎に角、そのストーリーテリングに弄ばれるのが心地よい作品!
クライマックスは宮○みX▽の様に尻すぼみにはならないが 元々大したトリックでもないので急上昇する高揚感はあまり無い・・・・
残念なのは関口クンをキーマン設定した件・・・・
彼の葛藤も分らないではないが、読者誘導の任も背負っていたので あくまでも間抜けな傍観者の方がヨカッタかもしれない、早々に破廉恥モードが(ワカル人には)露見するので どうにも感情移入がし難かったです。
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